外部フィルターが大型魚飼育に不向きな件について。

外部フィルターはなぜ大型魚に不向きなのか?というメールを何件かいただきましたので、
その意味と、対処法を返信した文章を元に紹介します。

外部フィルターが向かないというのは、まず大型肉食魚の場合、ラスボラや、ネオンテトラのような小型魚に比べ圧倒的に大量の餌を食べ、大量の糞をします。

外部フィルターは、どちらかといえば小型魚向けの製品であり、構造上酸素を含みにくい構造になっています。

大量の糞や食べかすを処理するにはまず大量のバクテリアが必要となります。バクテリアに必要不可欠なのは「大量の酸素」です。

上部フィルターは構造上酸素を溶け込ませやすい構造になっております。ということで、外部フィルターを使う場合のひとつの処置としてエアレーションをする。

ということ

そして、大量の糞や食べかすは目詰まりしやすく、外部フィルターは構造的にふたを開けすべてのものを取り出しすべて洗浄し、パイプの水垢などを掃除するといった大変な手間がかかります。掃除をしにくいものですので、この掃除が10年単位で見ていくとどうしても大変な作業になってきます。
小型魚飼育の場合1年ほど掃除しなくても使えてしまいますが、大型魚を複数匹飼育するとなると、やはりごみの量が多いですので、2ヶ月に一度ほどの掃除が必要になってきます。
大切な休日の時間をこの掃除にさくというのがとても苦痛です。
上部フィルターでしたら、濾材をネットなどに入れておけば飼育水ですすぐ程度で終わってしまいます。

目詰まりの対策として、ストレーナにスポンジフィルターを使うというのがひとつの対策です。これで大きなごみの侵入はあらかた防げると思います。

そして、濾材の量ということもかかわってきます。

外部フィルターに目安として、60cm水槽用などと書かれていますが、実際に入る濾材の量はかなり少量しか入りません。
そこへ目詰まり防止としてリング状の濾材を併用することになりますが、リング状の濾材はバクテリアの定着する面積が少ないため、大量に必要になるのですが、外部フィルターの濾材容量が少ないためますます濾材不足ということに悩まされることになります。これは、もう1機外部フィルターを導入するか、サブフィルターをつけるか、対応水槽よりも数ランク上のフィルターを導入するなどで対策することになります。
上部フィルターですと、リング状の濾材は何か理由がある場合以外に入れる必要はありませんので、石ころ状の濾材を入るだけ入れられます。(石ころ状の濾材のほうがバクテリアの定着する面積が広い)

大型水槽になるほど外部フィルターの濾材容量不足に悩まされることになります。

向かないとかいてますが、あくまで向かないだけで使えないわけではありません。私も外部フィルターをサブフィルターとして回しております。
通常の飼育固体、飼育数ならば上部フィルターを一機設置するだけですむところを、
数々の手間がかかってくるということです。

サブフィルターとして考えた場合、手軽に濾過能力アップを図れますので、追加フィルターとしての位置づけは、
かなり優れています。

メインとしては難点が増えてきます。