ブリードとワイルド

ブリードとワイルドでは顔つきや体系などに差があるように思います。

ワイルドのセネガルスです。
顔が角ばっており、肩口も筋肉質です。

こちらはブリードのセネガルス。

顔つきに少し丸みがあり、体つきも幾分柔らかです。
上の固体は、ブリードの中でも比較的がっちりとした、
いい体つきのものを選んで、肥満にさせないように育てましたが、
それでもワイルドに比べると精悍さは劣ります。


遠近感で少し体長に差があるように見えますが、実際それほど体長に差はありません。
奥がブリードの
セネガルス、手前がワイルドのセネガルスです。
両方ともオスで、同条件で飼育しておりますが、体型、体色の差があります。
カメラの角度のせいもありますが、顔つきの違いが良くわかると思います。

ワイルド別固体



2006.11.4購入
ふと立ち寄った熱帯魚店にワイルドのポリプがたくさんいて、
キリーリバー上流域のビュティコファリと一緒に入れられており、
初め気が付かなかったのですが、何気によく見るとセネガルスが!
アルバイトの店員さんらしく川等はまったくわからないとの事。
ビカビカのベアタンクでストックされており、体色は飛んでいますが、
今後楽しみです。
(トリートメントタンク、ごみだらけ・・・)







体側


体側の中央部、えらの後ろ辺りから、尾びれへ向かって走る点々
おそらくこれが側線だと思われます。
現代の魚たちは、この側線で水中の波動を感じ取ります。
視覚に入らない小魚の動きなどをここで感じ取ることで、
視野の外の小魚などを捕食することが出来ます。

仮説

セネガルスに限ったことではないのですが、
ポリプテルスには、上顎突出種と下顎突出種があります。
私は、もちろん現地のポリプテルスを解剖して、
胃の内容物を確かめたわけではないため、
想像に過ぎませんが、この大きく分かれた上顎突出型と、下顎突出型には、
意味があるのだと思います。

大まかに、上顎突出型は小型で、下顎突出型は大型ということです。
食物連鎖の底辺に当たる、捕食される側の小魚たちは、
追われたときに空中へジャンプするなど、逃げ場所をより広く確保するため、
水深の浅いところを群れで泳ぐ場合が多くあります。
これを捕食する側は、小魚たちをみあげ、下から食い上げる格好になります。
小魚を下から食いあげるために都合のよいように、
下顎が突出したのではないか?と考えられます。
(多くのフィッシュイーターは下顎が突出しております)
そして、下顎が突出するタイプのポリプテルスたちは、主食が小魚であるために、
逃げ惑う小魚を捕食するだけの遊泳力と、小魚の栄養分が大きなことから、
体長が大型化していくのではないでしょうか?
魚は、力いっぱい泳いだとき一瞬で体長の3倍を泳ぐといわれています。
10cmの魚はがんばっても30cmしか進めませんが、
60cmの魚は一瞬で180cm進むことになります。
ポリプテルスは遊泳力に優れている体型ではないため、
体長で補っている部分もあるのではないでしょうか?

一方

上顎が突出するタイプですが、彼らの主食は小魚よりも水底に潜む、
水生昆虫などが主なのではないでしょうか?
水底のコケや、昆虫を食べるような魚たちは皆、
鼻先で水底を探るように餌を探し、ついばむように食べることから上顎が突出しております。
このため、小魚の大群を次々と捕まえて食べる下顎タイプより、
水底を探りながら単発で獲物を食べていく、
上顎タイプの方が平均的に体長が短いのではないでしょうか?

もちろん上顎突出種も、下顎突出種も両方が雑食で、魚、貝類、虫、カニなど、
いろいろなものを食べると思われますが、
大きく分けて主食と考えると、小魚を主食とする下顎種と、
水生昆虫などを主食とする上顎種と考えられるのではないでしょうか?

残念ながらオルナティーとウィークシーの説明が出来ないですが。

最近の考え

上にでかでかと勝手な妄想を書いておりますが、
最近、下顎突出種と上顎突出種の違いを考えているうちに、
新たなる妄想が。

デボン紀に誕生した肺魚類が栄えていたころは、天候の変動が激しく、
大雨の際河川に大量の土砂が流れ、河底は泥沼のようであったかと思われます。
彼らは底棲生物を主食としており、その泥をシャベルのようにすくい上げ、
川底に埋もれる生物などを捕食するために下顎が突出しており、
肺魚類でもデボン紀初期に誕生したディプノリンクス(ディプノリンクスは別グループである肉鰭亜綱の魚で、
ポリプテルスの先祖ではなく、レピドシレンやプロトプテルスの祖先ですが)
の体長が約90cmということから、
ポリプテルスの形質が出来上がった最初のころは大型であったと思われます。
もっとも、ポリプテルスの祖先であるパレオニクス類は、
世界中の海や川でさまざまな形状のさまざまな大きさのものが存在し、
特にこの魚からという進化系統が私の知るところ示されていない。

それから長いときを経て、大気の状態も落ち着き、川底が泥から開放され、すくい上げるよりも、
上から獲物をつつく形に上顎が突出するよう進化し、体長も大きな体では燃費が悪いため、
だんだんと小型化したのではないでしょうか?

ゆえに、下顎突出型よりも上顎突出型のほうが近年に出現し、下顎突出種よりも小型で、
上の考えとはまったく異なりますが、
彼らのベイトは、
底棲生物であり、泳ぐ魚を捕らえるためには進化してこなかったために、
現代でもご存知のような遊泳力のない姿で進化せず生き続けているのではないでしょうか?

しかし、雨季のあるアフリカ、雨季の河川はデボン紀ほど激しくはないでしょうが、
かなりの激流と汚泥を運んでくると思います。
この辺がまたなぞなんです。

こっちの方が本当っぽい??

どっちも妄想ですが。